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第26号 ファースト・コールをもらえる会社になるために!

2017年3月5日 07:00

 

■自動車ディラーの囲い込み戦略に学ぶ

これまで自動車販売市場を牽引してきたディラーにとっても昨今の市場縮小は大きな経営課題となっている。そんな中、新車販売ディラーが打ち出したのがアフターメンテナス需要を自社サービス内で循環・創造させる顧客を囲い込むビジネスモデルだ。

新車の販売時にメンテナンスやオリジナルの保険プランなどをパック販売する。新車の販売から最初の車検がある3年目と、次の車検がある5年目の周期で顧客の需要(整備や中古車売買)を自社サービス内で循環させる戦略だ。
 とはいえ、ディラーの囲い込み戦略はユーザーを永久に自社に縛れない。多くはメンテナンスパックの終了時期と5年目の車検が一区切りとなる場合が多い。つまり、7年目(3度目)の車検以降、ディラーの囲い込みから外れてしまう。その囲い込みから外さないよう、無料洗車や、タイヤ預かりサービスなどで接点回数を多くするディラーが増えてきた。洗車をしている待ち時間に新車の案内、携帯電話など他サービスを案内し、需要を喚起しているのだ。新車ディラーの強固な囲い込みは、ガソリンスタンドや整備工場の減少に拍車をかけている。

■5~10年で住宅市場は激減する

 人口減少の中で日本の住宅市場は大きく変化していく。特に新築住宅着工件数は大きく減少する。野村総研の予測では、現在約90万戸の新築住宅着工件数(戸建て、マンション、賃貸住宅など)が2030年には約54万戸まで減少すると言う。1989年(平成元年)の167万戸をピークにすると実に4割も市場が縮小している。
 一方、リフォーム市場は、1989年(平成元年)の3.2兆円から2015年(平成27年)の6.4兆円に倍増している。エコリフォームを促進する住宅ストック循環支援型事業補助金のように、政策的な支援も行われ成長が期待されている。
 しかし、市場の将来はそれだけでは見通せない。住宅は今後5~10年後で姿を大きく変える。食と住の基本機能を満たせば良しとされた住宅が、温暖化問題の深刻化、人口減少、少子高齢化といった新たな課題で役割を変え始めている。
では、今後の5~10年で家の機能はどう変化するのか?

■公共施設の変化に住宅が対応していく

① 住宅の創エネ・省エネ・畜エネ機能の向上

 窓や壁を高断熱にする省エネ性能を向上する一方、屋根では太陽光発電を行いエネルギーを創る。そして、蓄電池でそのエネルギーを貯える。当面の目標は、エネルギー消費量を抑えながら、エネルギー収支をゼロにするZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)。2020年には新築戸建て住宅の半分以上をZEHにするとしている。
 人口減少による税収不足で、電力やガスなど社会インフラが縮小してしまうかもしれない。その時に備え、各家庭にその準備が求められているのだ。

② 住宅の介護機能の向上

 病院が慢性期の療養型治療より急性期の対処型治療への転換が増えている。これは人口減少による社会保障費の不足を前提に医療費を抑制しようとする政策だ。今後は病院で行っていたリハビリや機能回復の治療を家の中で行わなければならない。治療だけでなく、家で看取ることも増える。そのために、介護ができる医療器具が家の中にどんどん入ってくる。電動の介護ベッドを置く床の補強、医療器具を置くスペースを確保する間取り変更、高齢者のヒートショックを防ぐ断熱効果を高めるリノベーションなどが行われる。

③ 住宅のIot機能の向上

 一人暮らしの老人が増えると、急に動けなくなった時にそれを察知して見守りができる機能が必要になる。例えば、エアコンなどにセンサーを付け、部屋の中で人が動かなくなった時にいち早く察知するものだ。心臓疾患があってペースメーカーを利用されている方には、自然とデータが送られるシステムがある。一方、健康な高齢者への対応は遅れている。暖かいところから寒いところに出て、急激な温度差によるヒートショックで亡くなられる方は年間1万7000人にも上っている。この数は、全国の年間交通事故死亡者数の実に4倍にものぼるのだ。

■ビルダー・工務店が行うべき囲い込み戦略
~ファースト・コールをもらえる会社になろう~

 ファースト・コールをもらえる会社とは、OB顧客が「家」に関する不安や悩みが生じた時に一番初めに電話をかける会社のこと。信頼関係はもちろん、「家」に関する相談に応えてくれるという安心感も持ち合わせていなければならない。
ファースト・コールをもらえる会社になるには、アフターフォロー、定期訪問を継続的に行い、地域のお客様との信頼関係を強固なものにし生涯顧客化をはかる。収集した建物情報、顧客情報をベースに、ライフスタイルの変化、経年劣化などによる変化、求められる機能の変化について、最初に相談いただき、「不」を解消する解決策を提案する企業を目指すものである。

■OB顧客を生涯顧客化する5つのメリット

 生涯顧客とは会社にとってファンのような存在。ファンとは、「売り手」「買い手」といった関係でなく、あなたが困ったときに助けてくれるお客さまである。
困ったときというのは、「○○さんが言うのだからそのとおりだよね!」「○○さんにお客さまを紹介したい!」と常にあなたのことを考えてくれているお客さま。高い顧客満足度を得ることができ、さらに良い循環が生み出される。
OB顧客を生涯顧客化する5つのメリットはこれだ。

メリット1:競合が排除できる

 建物・家族を知っているので、プラン・設計の手戻りが少な  く、お客さまも不安がなくなる。最適な提案がスピーディにでき競合が排除できる。OB顧客と接点を持つことで最新情報が掴め、家族のライフスタイル変化と建物の経年変化の両面に対応した先行提案ができ競合が排除できる。

メリット2:労働時間を含む生産性が向上する

 OB顧客に指名され競合が排除できるので、ムダな見積提出がなくなる。受注件数がアップし無駄な仕事が少なくなり生産性が向上する。

メリット3:資金繰りが安定する

 OB顧客のリフォーム需要が、顧客カルテに基づいて計画的に見込めるので、見込精度が向上し受注の予測精度が向上する。受注が読めるようになると、入金計画も立てやすく資金繰りがしやすくなり安定する。また、施工量も読みやすくなるため、協力会社・職人への支払いも計画的に行えるので資金繰りが安定するのだ。

メリット4:粗利益率がアップする

 他社と競合しないので、営業マンが安易な値引きをする必要が無くなる。結果、粗利益率がアップする。場合によってはプラスアルファの提案ができ単価アップも可能だ。

メリット5:販売促進費が削減できる

 OB顧客を中心に受注活動が行えるので、不特定多数向けのチラシやDMに頼らない販促活動を行うことができる。削減した販促予算をお客さまや社員に還元することができるのだ。
OB顧客を囲い込み生涯顧客化することが、新築減少時代に勝ち残る決め手である!

ワンポイントクエスチョン【あなたの会社にファンは何人いますか?

代表取締役 日小田正人

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【26号】2017年3月1日